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論文

Decomposition behavior of gaseous ruthenium tetroxide under atmospheric conditions assuming evaporation to dryness accident of high-level liquid waste

吉田 尚生; 大野 卓也; 吉田 涼一朗; 天野 祐希; 阿部 仁

Journal of Nuclear Science and Technology, 57(11), p.1256 - 1264, 2020/11

 被引用回数:8 パーセンタイル:71.58(Nuclear Science & Technology)

再処理施設における高レベル濃縮廃液の蒸発乾固事故では、ルテニウム(Ru)の挙動が重要視されている。これはRuが四酸化ルテニウム(RuO$$_{4}$$)等の揮発性化合物を生成し、硝酸(HNO$$_{3}$$),水(H$$_{2}$$O)等の共存ガスとともに環境中に放出される可能性があるためである。この事故事象の安全評価に資するため、気体状RuO$$_{4}$$(RuO$$_{4}$$(g))の分解・化学形変化挙動を、温度や共存ガスの組成をパラメータとした様々な条件下で実験的に評価した。結果として、RuO$$_{4}$$(g)は気相条件によって多様な挙動を示した。乾燥空気や水蒸気を用いた実験ではRuO$$_{4}$$(g)の分解が観察された。一方、HNO$$_{3}$$を含む混合ガスを用いた実験では、RuO$$_{4}$$(g)の分解はほとんど観測されず、化学形を保持した。

論文

Complexation and bonding studies on [Ru(NO)(H$$_{2}$$O)$$_{5}$$]$$^{3+}$$ with nitrate ions by using density functional theory calculation

加藤 茜*; 金子 政志; 中島 覚*

RSC Advances (Internet), 10(41), p.24434 - 24443, 2020/06

 被引用回数:6 パーセンタイル:31.74(Chemistry, Multidisciplinary)

高レベル放射性廃液中のルテニウム化学種の安定性を予測することを目的として、硝酸溶液中のルテニウムニトロシル錯体の錯生成反応を密度汎関数法(DFT)を用いて調査した。DFT計算によって得られた[Ru(NO)(NO$$_{3}$$)$$_{3}$$(H$$_{2}$$O)$$_{2}$$]の最適化構造を既報の実験値と比較した結果、Ru-配位子結合距離やIR振動数を再現することが分かった。幾何異性体間のギブズエネルギーの比較した結果、硝酸イオンの錯生成反応は、Ru-NO軸に対してエクアトリアル平面に配位することによって進行することが明らかになった。また、逐次錯体生成反応におけるギブズエネルギー差を見積ったところ、Ru錯体種と置換する配位子との会合エネルギーを考慮することによって、6M硝酸中のRu錯体種のフラクションを再現することに成功した。Ru-配位子との配位結合の解析の結果、Ru錯体種の安定性は、トランス影響に起因する電子密度の違いによって説明できることが示唆された。本研究は、硝酸中における白金族元素の詳細な錯生成反応のモデル化に寄与することが期待される。

論文

Density Functional Theory (DFT)-based bonding analysis correlates ligand field strength with $$^{99}$$Ru M$"o$ssbauer parameters of ruthenium-nitrosyl complexes

金子 政志; 加藤 茜*; 中島 覚*; 北辻 章浩

Inorganic Chemistry, 58(20), p.14024 - 14033, 2019/10

 被引用回数:12 パーセンタイル:63.71(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

高レベル放射性廃液中に存在することが知られているニトロシルルテニウム錯体について、密度汎関数計算を用いて、$$^{99}$$Ruメスバウアー分光パラメータ($$delta$$及び$$Delta$$$$E_{rm Q}$$)と配位子場分裂($$Delta$$$$_{rm o}$$)を相関づけた。[Ru(NO)L$$_{5}$$] (L = Br$$^{-}$$, Cl$$^{-}$$, NH$$_{3}$$, CN$$^{-}$$)の構造は、全て報告されている単結晶構造に基づいて作成した。異なるスピン状態で計算した構造とエネルギーを比較した結果、一重項状態[Ru(II)(NO$$^{+}$$)L$$_{5}$$]が最も安定であることが分かった。$$delta$$及び$$Delta$$$$E_{rm Q}$$の計算値は、報告されている実験値をよく再現し、L = Br$$^{-}$$, Cl$$^{-}$$, NH$$_{3}$$, CN$$^{-}$$の順で増加した。さらに、C$$_{rm 4v}$$対称性を仮定した$$Delta$$$$_{rm o}$$を見積った結果、同じ順で増加し、分光化学系列と一致することが分かった。これは、配位子の$$sigma$$ドナー性及び$$pi$$アクセプター性の増加が、結果としてメスバウアー分光パラメータの増加に起因することを示唆している。

論文

再処理構造材料の腐食挙動に及ぼすRu化学形態の影響に関する研究

佐野 雄一; 安倍 弘; 高畠 容子

あいちシンクロトロン光センター2017年度公共等利用成果報告書(インターネット), 1 Pages, 2018/00

再処理工程での腐食機構の解明及び腐食抑制方法の提案を目的として、海水成分を含む硝酸溶液中におけるRuの存在形態に共存物質が及ぼす影響について評価を行った。Ruを対象としたXAFS測定の結果、塩化物イオンとの相互作用に起因すると推定されるRu近傍の構造変化が観測され、硝酸溶液中におけるRuの腐食促進作用に何らかの影響を及ぼすことが示唆された。

報告書

模擬廃棄物ホウケイ酸ガラス試料のXAFS測定(共同研究)

永井 崇之; 小林 秀和; 捧 賢一; 菖蒲 康夫; 岡本 芳浩; 塩飽 秀啓; 山中 恵介*; 太田 俊明*

JAEA-Research 2017-005, 54 Pages, 2017/06

JAEA-Research-2017-005.pdf:16.17MB

ガラス固化プロセスで製造されるガラス固化体中のホウ素(B)や廃棄物成分の局所構造は、固化体に含まれる廃棄物成分による影響を受ける。本研究は、模擬廃棄物ガラス試料を作製し、放射光XAFS測定によるガラス試料中のB及び廃棄物成分の局所構造を評価した。BのK吸収端XAFS測定において、薄板状の試料を用いて良好なXANESスペクトルが得られることを確認し、原料ガラスに廃棄物成分を添加するとB-Oの3配位sp$$^{2}$$構造(BO$$_{3}$$)割合が減少して4配位sp$$^{3}$$構造(BO$$_{4}$$)割合が増加することを明らかにした。また、組成のSiO$$_{2}$$/B$$_{2}$$O$$_{3}$$比の低下又は(SiO$$_{2}$$+B$$_{2}$$O$$_{3}$$)/Al$$_{2}$$O$$_{3}$$比の上昇によって、BO$$_{3}$$割合が増加しBO$$_{4}$$割合が減少すること、P$$_{2}$$O$$_{5}$$の添加によって、BO$$_{3}$$割合が減少しBO$$_{4}$$割合が増加することを明らかにした。廃棄物成分のXAFS測定において、B$$_{2}$$O$$_{3}$$含有率が高い組成ほどセリウム(Ce)原子価が還元されること、原料ガラスへP$$_{2}$$O$$_{5}$$を添加するとCe原子価が還元されることを確認した。またイメージング測定により、ガラス中に析出するRu化合物の状況は組成のB$$_{2}$$O$$_{3}$$含有率を変えても変わらなかった。本研究は、資源エネルギー庁より日本原子力研究開発機構が受託した次世代再処理ガラス固化技術基盤研究事業の実施項目「高レベル廃液ガラス固化の高度化」の一つとして実施した。

論文

ガラス固化プロセス環境における白金族化合物の化学挙動解明

永井 崇之; 秋山 大輔*; 佐藤 修彰*; 捧 賢一

物質・デバイス領域共同研究拠点研究成果報告書(平成28年度)(CD-ROM), 1 Pages, 2017/03

ガラス固化体の製造において、溶融状態の廃棄物ガラスから析出したRuO$$_{2}$$等の白金属化合物が溶融炉底部に堆積して固化体容器へのガラス流下を阻害する。本研究は、廃液成分であるRhがRuO$$_{2}$$生成へ与える影響を確認するため、Ru-Rh化合物等を加熱合成して生成物をXRDにより評価した。その結果、廃液に含まれるRhはRuと同様な化学挙動を示し、Ru化合物と類似構造のRh化合物を生成する可能性があることを見出した。

論文

ガラス固化プロセス環境におけるルテニウム化合物の挙動評価

永井 崇之; 佐藤 修彰*; 捧 賢一

物質・デバイス領域共同研究拠点研究成果報告書(平成27年度)(CD-ROM), 2 Pages, 2016/03

使用済核燃料再処理から生じる高レベル放射性廃液は、ガラス固化プロセスでガラス原料と溶融混合され、最終処分体のガラス固化体へ加工される。ガラス固化体を製造するガラス溶融炉内では、廃液に含まれるルテニウム(Ru)が溶融ガラス中に二酸化ルテニウム(RuO$$_{2}$$)として析出する。このRuO$$_{2}$$は溶融炉底部に堆積し、固化体容器への溶融ガラスの流下を阻害するため、溶融炉環境におけるRuの反応挙動を理解する必要がある。そこで、ランタン(La)硝酸塩とRu硝酸塩を原料に、硝酸塩の脱硝温度において生成するRu化合物を確認するとともに、Ru-La-Na混合硝酸塩にガラス原料を添加し、Ru化合物の化学形態の変化を追跡した。

論文

高レベル濃縮廃液の乾固過程におけるルテニウムの放出特性

田代 信介; 天野 祐希; 吉田 一雄; 山根 祐一; 内山 軍蔵; 阿部 仁

日本原子力学会和文論文誌, 14(4), p.227 - 234, 2015/12

高レベル濃縮廃液(HALW)が沸騰・乾固に至る事故条件におけるHALWからのRuの放出特性を調べた。実験室規模の装置を用い、非放射性物質からなる模擬HALW試料を乾固するまで加熱して、ルテニウムならびにNOxガスの放出特性を観察した。その結果、模擬HALW試料温度が120$$sim$$300$$^{circ}$$Cにおいて、ルテニウムは顕著に放出した。最終的なRuの積算放出割合は0.088であった。また、模擬HALW試料温度に対するルテニウムの放出量は、約140$$^{circ}$$Cに極大、約240$$^{circ}$$Cに最大となる2つのピークを有することが分かった。模擬HALW試料から放出される水蒸気と硝酸の混合蒸気を凝縮させて捕集した凝縮液量やNOxガスの放出速度の測定結果と関係づけて、模擬HALW試料温度に対するルテニウムの放出量に2つのピークが生じる要因を検討した。

論文

Neutron diffraction and X-ray absorption study of CaMn$$_{0.6}$$Ru$$_{0.4}$$O$$_{3}$$

吉井 賢資; 中村 彰夫; 水牧 仁一朗*; 谷田 肇*; 河村 直己*; 阿部 英樹*; 石井 慶信; 下条 豊; 森井 幸生

Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 272-276(Suppl.), p.e609 - e611, 2004/05

 被引用回数:4 パーセンタイル:25.12(Materials Science, Multidisciplinary)

ペロブスカイトCaMnO$$_{3}$$は150Kに反強磁性を示す絶縁体であるが、最近、Mnサイトを一部Ruに置き換えることによって、強磁性を示すとともに金属的になることが示された。本研究では、低温において、強磁性を示すCaMn$$_{0.6}$$Ru$$_{0.4}$$O$$_{3}$$の磁気構造について中性子散乱を用いて調べた。常温での構造は単斜晶${it P}$2$$_{1}$$/${it n}$ペロブスカイト構造であった。低温での磁気ピークを含めた回折パターンは、強磁性と反強磁性ドメインの共存を仮定することでフィットできた。放射光を用いたX線吸収スペクトル測定からは、Ruの平均原子価が4から5+の間であることがわかった。このことは、過去の論文における、Ru$$^{5+}$$の存在によってMnイオン間の強磁性相互作用が強められるという提案を支持する。

論文

Doping effects of Ru in ${it L}$$$_{0.5}$$Sr$$_{0.5}$$CoO$$_{3}$$ (${it L}$=La, Pr, Nd, Sm, and Eu)

吉井 賢資; 阿部 英樹*

Physical Review B, 67(9), p.094408_1 - 094408_8, 2003/03

 被引用回数:40 パーセンタイル:82.47(Materials Science, Multidisciplinary)

${it L}$$$_{0.5}$$Sr$$_{0.5}$$Co$$_{1-x}$$Ru$$_{x}$$O$$_{3}$$(${it L}$=La, Pr, Nd, Sm, 及び Eu)の構造・磁性・電気伝導について調べた。結晶構造はほとんどの物質で斜方晶ペロブスカイト構造Pnmaであった。Ruをドープしていない酸化物(x=0)はキュリー温度が250から140Kの強磁性金属であるが、Ruをドープすることによって強磁性が抑えられるとともに金属性が消失し絶縁体になることがわかった。逆帯磁率データからは、Ruドープにより磁気相互作用が反強磁性的になることが見出された。また、${it L}$$$_{0.5}$$Sr$$_{0.5}$$Co$$_{0.8}$$Ru$$_{0.2}$$O$$_{3}$$(${it L}$=Sm 及びEu)では、50-60Kにスピングラス的挙動が見られた。磁性におけるこの変化をRuドープによるCoのスピン状態などと関連付けて説明した。

論文

Structure, magnetism and transport of La$$_{2}$$NiRuO$$_{6}$$

吉井 賢資; 阿部 英樹*; 水牧 仁一朗*; 谷田 肇*; 河村 直己*

Journal of Alloys and Compounds, 348(1-2), p.236 - 240, 2003/01

 被引用回数:15 パーセンタイル:63.77(Chemistry, Physical)

ニッケル-ルテニウム酸化物La$$_{2}$$NiRuO$$_{6}$$の構造・磁性・電気伝導について調べた。過去の文献では、本物質の結晶構造は単斜晶P21/nと斜方晶Pnmaの2つの異なった構造が報告されている。本研究でのリートベルト解析は、結晶構造はRu$$^{4+}$$イオンとNi$$^{2+}$$イオンが整列配置した単斜晶P21/nを支持した。結晶の対称性は低いが、RuO$$_{6}$$及びNiO$$_{6}$$八面体におけるO-Ru-O及びO-Ni-O角度はいずれもほぼ90度であり、理想的な八面体構造に近い。このことは放射光吸収分光からも示唆された。したがって、結晶構造の低対称性はNi-O-Ru角度が150度と小さいことに起因すると考えられる。電気抵抗測定からは、本物質は常温以下で絶縁体的であり、Ni3d軌道のバンド幅が狭いことを反映していると考えられる。直流磁化及び交流帯磁率測定からは20Kに反強磁性的な磁気転移が観測された。

論文

Magnetic and calorimetric studies on ordered perovskite Ba$$_{2}$$ErRuO$$_{6}$$

泉山 ユキ*; 土井 貴弘*; 分島 亮*; 日夏 幸雄*; 中村 彰夫; 石井 慶信

Journal of Solid State Chemistry, 169(1), p.125 - 130, 2002/11

 被引用回数:41 パーセンタイル:81.15(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

表記のペロヴスカイト型化合物の磁気的性質について、中性子散乱,磁化測定及び比熱測定等を用いて調べた。室温での中性子散乱から、本系がBサイトでEr$$^{3+}$$とRu$$^{5+}$$が秩序化した立方晶ペロブスカイト構造を持つことを明らかにした。また、磁化及び比熱データから、本系が10Kと40Kの2温度で磁気転移を示すことを明らかにした。磁気比熱の温度依存性を解析し、40Kの転移はRu$$^{5+}$$の反強磁性秩序化によるものであり、また10KのそれはEr$$^{3+}$$間の磁気的相互作用に基づくものであることがわかった。10Kでの中性子散乱データの解析は、本系がEr$$^{3+}$$,Ru$$^{5+}$$の両者の長距離の強磁性秩序を伴うTypeI型の磁気構造を有しており、それらの磁気モーメントは(a-b)面内でお互いに反平行に向いていることを示している。

論文

Heat capacities of technetium metal and technetium-ruthenium alloy

白数 淑郎; 湊 和生

Journal of Alloys and Compounds, 337(1-2), p.243 - 247, 2002/05

 被引用回数:3 パーセンタイル:29.91(Chemistry, Physical)

テクネチウム-99を核変換するうえで必要となる基礎データとして、金属テクネチウム及びテクネチウム-ルテニウム合金の熱容量を示差走査型熱量計により測定した。室温から約1100Kまで測定した金属テクネチウムの熱容量が金属ルテニウムの熱容量より大きいこと、ならびに、テクネチウム-ルテニウム合金の熱容量が金属テクネチウム及び金属ルテニウムの熱容量からNeumann-Koppの法則によって評価した計算値とよく一致することを明らかにした。

論文

Thermal expansions of technetium-ruthenium alloys

白数 淑郎; 湊 和生

Journal of Alloys and Compounds, 335(1-2), p.224 - 227, 2002/03

 被引用回数:7 パーセンタイル:47.03(Chemistry, Physical)

テクネチウム-99を核変換するうえで必要となる基礎データとして、金属テクネチウム及びテクネチウム-ルテニウム合金の熱膨張を押棒式熱膨張計によって測定した。室温から約1300Kまで測定した金属テクネチウムの熱膨張が金属ルテニウムの熱膨張より大きいこと、ならびに、テクネチウム-ルテニウム合金の熱膨張がルテニウム濃度の増加とともに減少することを明らかにした。

論文

Magnetic properties of CaRuO$$_{3}$$

吉井 賢資; 阿部 英樹*

Physica B; Condensed Matter, 312-313(1-4), p.791 - 792, 2002/03

 被引用回数:6 パーセンタイル:34.98(Physics, Condensed Matter)

CaRuO$$_{3}$$の磁性を調べた。磁化の温度依存性には、85K近傍に磁気転移による屈曲点が見られた。6Kにおける磁化の緩和測定からは、磁化が時間の対数に比例して変化する現象が見られた。これは過去の文献に示唆されたスピングラスの存在と一致する。しかし、交流磁化測定では、スピングラスに見られるような帯磁率ピークは見られず、今後、単結晶による磁気構造の測定などが必要と考えられる。

報告書

硝酸溶液中に共存する高酸化性イオンへの$$gamma$$線照射作用

竹内 正行; 石橋 祐三; 大橋 和夫; 永井 崇之; 武田 誠一郎

PNC TN8410 98-078, 36 Pages, 1998/07

PNC-TN8410-98-078.pdf:1.14MB

(目的)材料腐食に与える$$gamma$$線の影響について検討するため、ステンレス鋼の腐食に影響を及ぼす酸化性イオンへの$$gamma$$線照射作用について調査する。(方法)再処理環境中の代表的な金属種の中で、高次原子価で存在し得るCr6+,Ce4+,Ru3+を対象に、$$gamma$$線を一定の線量率および時間で照射し、溶媒中に存在する金属種の原子価変化を調査した。その際、照射反応に対する溶媒の関与について検討するため、溶媒を純水、硝酸水溶液とした照射試験を行った。(結果)本試験の結果から、得られた知見を以下に示す。(1)硝酸溶液にCr6+,Ce4+の高酸化性イオンが溶存した環境に$$gamma$$線を照射した場合、それぞれ還元を受けて、Cr3+,Ce3+に変化する。(2)同様に、吸収スペクトルによる同定結果から、Ru3+への$$gamma$$線照射により、初期のRu3+の一部は少なくともRuO42-,Ru8+以外の別の形態へ変化しているものと考えられ、$$gamma$$線の還元作用、Ruとニトロ基の親和性等から、Ru2+を主としたニトロシルルテニウム形態に変化している可能性が高い。(3)硝酸溶液系に$$gamma$$線照射した場合に生じる高酸化性イオンの還元は主として、放射線分解物の影響によるものと考えられ、高酸化性イオンに$$gamma$$線が直接的に作用するのではなく、溶媒を介在した間接的な作用によるものと考えられる。(4)$$gamma$$線源60Co、硝酸濃度4N、室温の条件で得られたCr還元に係るG値は1.28であり、同環境で評価されたNOx(0.021)の値よりも極めて大きい。(結論)ステンレス鋼の腐食を促進させる高酸化性イオン共存硝酸溶液に$$gamma$$線照射した場合、溶液中の高酸化性イオンが還元を受けることで、$$gamma$$線はステンレス鋼の腐食を抑制する方向へ作用する。この$$gamma$$線の還元作用は主として、亜硝酸に代表される硝酸の放射線分解生成物の影響によるものと考えられる。

報告書

核種移行データベースの開発研究(II)

上田 真三*

PNC TJ1211 98-001, 824 Pages, 1998/02

PNC-TJ1211-98-001.pdf:19.06MB

動力炉・核燃料開発事業団では、2000年3月までに性能評価レポートを作成する予定である。本研究は、レポート作成にあたって必要とされる核種移行データベース及び評価用モデルを整備することを目的として平成8年度に引き続き実施したものである。主な実施内容を以下に示す。1.重要元素の核種移行データベースの整備21元素に対し、OH、CO23、Cl、F、SO42、PO43を対象とした溶液中の化学種及び固相のデータ整備及びその国際的専門家のレビューを行った。また、岩石などへの17元素の収着データ及び7元素の拡散データ整備を行った。ベントナイトに関してはPuの収着性及び拡散データベースの整備を行った。2.データベース整備に係わるデータ取得ベントナイト、花崗閃緑岩、凝灰岩を対象にThの収着試験を実施した。またベントナイトを対象にRa、Np、Tc、U、ケイ砂混合ベントナイトを対象にCs、Se、Niの拡散試験を実施した。3.ベントナイトの間隙水水質推定モデルの検討イオン交換モデルにおける吸着化学種の活量補正について評価を行った。また空隙水組成に及ぼす不純物の影響に検討し、空隙水pHに対して方解石、石膏、硫化鉄の存在が影響することを明らかにした。4.コロイドの核種移行に与える影響の評価Hwangらのモデルを確証するためのデータ取得試験を実施するとともに、コロイドの存在が核種移行に与える影響の評価を行った。

報告書

Ruを含む硝酸溶液中でのステンレス鋼の電気化学的特性

永井 崇之; 大橋 和夫; 川野邊 一則*; 竹内 正行; 武田 誠一郎

PNC TN8410 97-425, 34 Pages, 1997/11

PNC-TN8410-97-425.pdf:0.97MB

(目的)硝酸溶液中にルテニウムを添加した場合のステンレス鋼の電気化学的特性を調査する。(方法)溶液環境を支配する因子(Ru濃度、硝酸濃度、等)をパラメータとして、304ULC、310Nbの腐食電位および分極曲線の測定を行った。(結果)(1)純硝酸とRu共存環境における304ULCおよび310Nbを比較した場合、Ruの添加により腐食電位は約200mV以上高くなることが分かった。(2)Ru濃度が高くなるに従って、304ULCおよび310Nbの腐食電位は上昇し、不働態と過不働態の境界から過不働態へ移行することが分かった。(3)Ru共存環境における304ULCおよび310Nbの硝酸濃度の影響は硝酸濃度が高くなるに従って、腐食電位は上昇し、不働態から過不働態へ移行することが分かった。(結論)本試験により硝酸溶液中の304ULCおよび310Nbは、Ru濃度、硝酸濃度が高くなるに従って腐食電位が上昇し、不働態から過不働態へ移行することが確認できた。

報告書

マイクロ波加熱による固体試料の酸溶解-ガラス固化体への適用検討-

相内 更子; 安 隆己; 菅沼 隆; 田中 康正

PNC TN8410 97-107, 53 Pages, 1997/05

PNC-TN8410-97-107.pdf:1.29MB

再処理の溶解工程にて発生する不溶解性残渣物及び高レベル放射性廃液を安定化するガラス固化体等、固体試料中に含まれる元素を分析するには試料の溶液化が不可欠である。今回、密閉容器を用いるマイクロ波加熱酸溶解法(以下、マイクロ波加熱法と記す)の再処理関連分析への応用検討を目的として、模擬ガラス固化体の前処理及び分析を行い、従来の酸溶解分析との比較・検討を実施した。得られた結果は以下の通りである。(1)マイクロ波加熱法において模擬ガラス固化体試料の完全溶解に要する最短時間は7分であり、従来法の2時間と比較して約1/20の時間短縮が可能となった。(2)マイクロ波加熱法で溶解に要する最少の混酸量は、従来法の約1/2に低減できた。(3)塩酸で処理すると揮発性物質となるCr2O3は表示値通りの分析値が得られ、密閉容器による揮発抑制効果が確認できた。(4)従来法とマイクロ波加熱法での分析値の再現性を比較したところ、後者の変動係数の方が1.2$$sim$$1.7倍優れていた。(5)白金族を含む模擬ガラス固化体試料は、RuO2及びZrO2を除き、決定した混酸量・溶解時間で高い溶解率が得られた。(6)白金族を含む模擬ガラス固化体試料のZrO2は、溶解時間と添加する混酸量を増やすことにより、完全に溶解できた。一方、RuO2の最大溶解率は12%程度と低値を示した。

報告書

再処理分離工程における放射性核種の抽出移行挙動

内山 軍蔵; 朝倉 俊英; 宝徳 忍; 渡辺 眞樹男; 根本 英幸*; 藤根 幸雄

JAERI-Research 96-069, 49 Pages, 1997/01

JAERI-Research-96-069.pdf:1.75MB

現行再処理工場(ピューレックス法)の抽出分離第1サイクルを模擬した分離フローシートを3基のミキサセトラ型抽出器を用いて構成し、ウラン-TBP-硝酸溶液系におけるテクネチウム、ネプツニウム、ヨウ素、ジルコニウム及びルテニウムなどの放射性核種の抽出移行挙動を測定した。主な実験結果は以下のとおりである。ネプツニウムは、共除染工程において模擬溶解液として供給した量に対し約30%が抽残液に、Tc洗浄工程では約12%が洗浄されてTc廃液に、また、U/Pu分配工程では約58%がPu溶液へ移行した。テクネチウムは、共除染工程において模擬溶解液として供給した量に対し約99%がTBP有機溶媒に抽出され、Tc洗浄工程では高濃度硝酸により全Tc量の86%が洗浄され、U/Pu分配工程では13%がPu溶液へ移行した。

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